観賞用にも! ザクロの植え付けから収穫まで栽培ポイント4点

ジュースやカクテル、シロップなどでおなじみのザクロ。


近年では生活習慣病の予防や美容に効果が期待できるとされ注目を集めています。


現在市場に出回っているザクロの9割はアメリカ産。


日本国内では和歌山県の限られた地域しか生産されていないため、国内産のザクロの流通は限られています。


そんなザクロですが、実の収穫はもちろんのこと、赤く美しい花を咲かせるため、観賞用の庭木として十分に活用が可能です。


そこで今回は、鑑賞だけでなく収穫もできるザクロの栽培方法についてご紹介します。

◆ザクロってどんな果実?

ザクロはアフガニスタンやイラン近辺を原産地とし、日本には平安時代に輸入されてきたといわれている果実です。


実は赤く6~10センチと片手で収まるくらいのボリューム。


大きいもので重さは300グラムほどです。


私たちが食するのは、実を割ったときに出てくる赤いツブツブの部分。


収穫したザクロの実は絞ったり潰したりしてジュースなどにしますが、そのまま生でも食べられます。


味は甘くて酸っぱい特徴があり、タンニン・アントシアニン・カリウムなどを含むため栄養価が高いとされています。

◆ザクロの好む環境

ザクロは暖かい地域を原産地とするため、基本的には日光のよく当たる場所で育てましょう。


耐寒性もありますが、日本国内での栽培可能な北限は甲信越地方。


冬期に気温が低い地域では鉢植えでの栽培をおすすめします。


ザクロは放任したまま育てるとすぐに人の背丈を超えるほどの高さになりますので、なるべく高さと広さのあるスペースを選びましょう。


小さなザクロを希望するなら、姫ザクロや一才ザクロのような品種を選択するとコンパクトに栽培が楽しめ、鉢植えでの栽培も可能です。

◆ザクロの植え付け

ザクロは種からの栽培も可能ですが、種を植えてから収穫までに3~5年(品種による)の時間が必要です。


そのため栽培の目的が収穫ならば、苗木の購入からはじめましょう。


苗木の購入で気をつけるべき点は、観賞用と収穫用の苗木を見極めること。


加えて、1年生苗・2年生苗・大苗など苗の大きさに分けられて販売されている場合もあるので、好みの品種とともに育てられた年月もチェックしておくことが大切です。


ザクロは基本的に土を選びませんが、保水性と排水性に優れ、弱酸性よりの土質を好みます。


苗を植え付ける適期は3月下旬から4月上旬にかけて。


植え付ける場所の土をしっかり耕し、腐葉土または堆肥を混ぜ込んだ後、およそ深さ30センチ、幅は苗よりも一回り大きいサイズ穴を掘って植え付けましょう。

◆ザクロの日常管理

●水やり

ザクロの水やりは鉢植え、または地植えによって方法が異なります。


鉢植え………土の表面が乾燥して色が薄くなってきたら、水をたっぷり与えましょう。


土が乾燥していないうちに水やりをすると、根腐れの原因となるので注意が必要です。


地植え………植え付け後苗木がしっかりと根付くまで、または苗木が若く気温が高い季節はたっぷりと水を与えてください。


秋や冬になり気温が下がってきたら水やりの回数を減らしていきましょう。


苗木が十分に根付いた後は、降雨のみで育ちます。

●肥料

ザクロの肥料は速効性化成肥料または有機質肥料を使います。


与えるタイミングは次のとおりです。


・鉢植え………芽吹く時期(3月)と収穫後(10月)
・地植え………芽吹く時期(3月)と開花後(7月)・収穫後(10月)


ザクロの花つきが悪くなるので、窒素分の多い肥料は避けてください。

●剪定

ザクロの剪定で気をつけるポイントは剪定の時期です。


というのは、ザクロの花芽は花が咲く前の年の枝にできるため、選定時期を間違えると翌年に花が咲かないばかりか、収穫もできなくなってしまうためです。


適期は葉が落ちた後の12月から2月にかけて。


樹木が大きくなるのを避けるための強剪定は避け、間引き程度にとどめておきましょう。


徒長枝や木の内側や真上に向かって伸びている枝をカットすると、日光の当たりや病害虫を防ぐための風通しを良くすることができます。

●摘果

ザクロの花は実をつける、つけないに関わらず咲くといわれています。


摘果は幼いうちに不要とされる実を取り除く間引き作業。花の子房が細い、または小さいものは摘み取っておきましょう。


摘果の作業をすることで、これから成長する果実に十分な栄養を行き渡らせましょう。

◆ザクロの収穫

ザクロの収穫適期は10月上旬から11月にかけて。


その頃になると完熟するにしたがい実が赤く変化し、割れてくる様子が見られます。


品種によっては裂けないものもありますが、ザクロの実が裂けだしたら、雨による腐敗や鳥による食害があるので早めの収穫をおすすめします。

さいごに

ザクロは自家結実性植物なので1本でも実がなる植物です。


ただし確実に収穫をしたいなら、筆先を使って人工受粉をしておきましょう。


病害虫の発生も比較的少なめですのでぜひザクロ栽培にチャレンジしてみてくださいね。

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