和風のガーデニングで笹を利用するには? 育て方7つのポイント

和風の空間を作りたいとき、重宝する植物の一つに笹があります。


主役の素材にはならないものの、風をうけてそよぐ様は、庭の景色に動きを与えてくれることでしょう。


そこで今回は、ガーデニングで笹を使用する時の注意点や育て方を7つのポイントに分けてご紹介します。

●笹と竹の違いとは?

笹と竹は、どちらもイネ科タケ亜科に属する植物です。


多くの方は見た目ですぐにどちらか判断ができると思いますが、はっきりとした違いを説明するのは難しいのではないでしょうか。


笹や竹は亜種が多く、明確な区別の定義は諸説あります。


一般的な、笹と竹のそれぞれの特徴は以下のとおりです。

・笹……日本だけに見られる植物・耐寒性があり茎の皮が剥がれない

・竹……熱帯地域やアジアの温帯地域で見られ、茎に節があり成長が早い


多くの種類がある笹ですが、なかには人間の背丈ほどに伸びるものもあります。


ガーデニングの素材として利用するなら、背丈の低い笹を選択しましょう。 

●笹を植える適切な場所

笹の栽培に適しているのは、ほどよく日光が当たる半日陰で、いくらか水分のある土壌です。


笹は生命力の強い植物のため、地下茎をどんどん伸ばしながら成長します。


鉢で育てることもできますが、成長スピードが早いことから、あっという間に笹の根が鉢の中で一杯になり、頻繁に植え替えが必要になります。


そのため、笹の栽培は、鉢植えよりも地植えのほうが、管理がしやすくおすすめです。


なお、地植えで笹を育てるなら、周りの植物への影響を考慮し、広い場所を選択してください。

●笹の植付け

地植えの場合、植付け時期にこだわる必要はありませんが、夏場を避けた春または秋がよいでしょう。


植付け前には土をよく耕し、元肥として有機肥料を混ぜ込んでおきます。


また、植え穴は笹の根回りに対し、ひとまわり大きなサイズの穴を用意します。


株間は約20センチを確保して、植え付けた後は、根付くまで十分に水を与えてください。


鉢栽培の場合は、笹のサイズよりも1~2周り大きなサイズの鉢を用意しましょう。

●笹の水やりと肥料

笹は乾燥に弱い植物ですので、鉢植え栽培では土の表面に乾きが見られたら水を十分に与えましょう。


地植えの笹は、降雨のみで足りますので、特別与える必要はありません。


肥料に関しては、地植えと鉢植えともに、与えなくても十分に育ちます。

●笹の花

笹が花を咲かせるのをご存知でしょうか?


笹は5月から7月にかけて、穂の花によく似た花を咲かせることがあります。


花を咲かせる頻度は約60年ごととの説もあるため、なかなかお目にかかる機会はないでしょう。


実のところ、笹の花を咲かせる周期については、あまりよくわかっていません。


また、笹の花の開花は珍しいため、「不幸や飢餓が起きる前触れ」などと昔から言われてきたようですが、この言い伝えにも確固たる理由はないようです。


笹は花を開花させた後に、実をつけます。


実が熟して種ができ、その種によって翌春に新たな生命が誕生します。


笹が花を咲かせる理由は、笹に寿命がきて枯れる前に、子孫を残すための現象と言われています。

●笹の剪定

笹の軽剪定は1年中いつ行なっても構いません。


笹は他の植物に比べ成長が早いため、高さを調節するための剪定は、年に1度は必ず行なうようにしましょう。
高さ調節のための剪定は3月ころがおすすめです。


また、成長とともに笹が茂ると、日当たりが悪くなったり、見栄えが悪くなったりします。


高さの調節が済んだあと、4月ころに透かし剪定で、風通しのよい環境を作ってあげましょう。

●ガーデニングでおすすめの笹3選

最後に、根締めや生け垣などガーデニングで使用するおすすめの笹を3つご紹介しましょう。

・コグマザサ

クマザサよりも葉が小さく、冬になっても枯れることはありません。


暖かい時期は、葉全体が緑色で覆われますが、冬になると縁が白に変化するため、葉色の変化を楽しめる風情のある笹です。


背丈も低いので扱いやすく、グランドカバーにも適しています。

・クマザサ

人の背丈ほどにも伸びる大型の笹で、日本各地で自生している姿が見られます。


風が当たることで葉の縁が白くなるため、雪に覆われたクマザサは緑を保つことが可能です。


昔から薬草としても利用され、現在では料理の飾り付けとしても使われています。

・ミヤコザサ

細長く薄い葉が特徴のミヤコザサ。


高さは50~80センチほどで収まるため、ほどよい高さの笹を植えたいとお考えの方におすすめです。


多くのミヤコザサは、冬になると枯れてしまいます。


枯れたとしても、翌年新芽を出して新たに生まれ変わります。

●さいごに

お気に入りの笹はありましたか?


笹は頑強な植物のため、暑さにも寒さにも強く、夏越しや冬越しをするための特別な手間はいりません。


また病害虫の心配もほぼないため、日常管理においても適度に剪定を行なっていけば、和風テイストの庭造りに役立つでしょう。


注意すべきは、地植えの際にどんどん成長して広がってしまうこと。


心配であれば、植付けのときに土の中に仕切りを入れて、笹の栽培場所を囲ってあげてくださいね。

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センリョウの育て方5つのポイント 挿し木の方法もご紹介

濃い緑の葉に赤い実をつけ、縁起の良い木として知られるセンリョウ。


樹高は高くても1メートルほどで、庭木はもちろん鉢植えでも栽培を楽しめる扱いやすい常緑樹です。


また花瓶に飾った実をつけたセンリョウなら、花より長持ちする点が魅力。


そこで今回は、センリョウの基本的な育て方5ポイントと、挿し木で増やす方法などについてご紹介しましょう。

●センリョウの栽培に適する環境

日本の庭木として馴染み深いセンリョウは、東アジアの暖かい地域を原産地とする常緑性の低木です。


関東以西の地域であれば地植えが可能ですが、寒さにはあまり強くないため関東より東の地域なら鉢植え栽培をおすすめします。


耐陰性のあるセンリョウの好む置き場所は、ほどよく日光の当たる明るい日陰。


置き場所は、夏の直射日光と冬の寒風の当たらない場所を選択してください。

●センリョウの植え付け

センリョウの植え付けに使用する土は、赤玉土と腐葉土をおよそ8:2の割合が適しています。

・種から育てる

冬の時期では、店頭で販売されている赤い実のついた切り枝を購入する方も多いのではないでしょうか。


センリョウの実は3月から4月ごろまで楽しめますが、実が黒く変色しないうちに果肉の中にある種で栽培をはじめましょう。


1 果肉から種を取り出し水洗いする

2 水はけのよい土を用意して、深さ1センチ以上を確保して埋める

3 発芽するまでは乾燥しないように水やりをする

4 発芽後は日陰で育て、約1年後に根にダメージを与えないように注意して定植する

・苗木から育てる

園芸店などで苗木を購入した場合の植え付け手順は以下のとおりです。


1 ポットより1周り大きな深鉢を用意

2 鉢底石を敷き、腐葉土を多めに含んだ排水性の良い土に入れる

3 転倒しそうなら支柱を添える


地植えのときの注意ポイントは、深植えにしないようにすること。


また苗木の定植の適期は4月から5月、9月から10月です。

●センリョウの日常管理

センリョウの植え付け後の日常管理を見ていきましょう。

・水やり

鉢植え……湿った土を好むため、土の表面が乾燥したら水を与える

地植え……植え付け後に根が定着するまでは水やりが必要、その後は降雨のみで足りる

・肥料

基本的にほぼ必要はありません。


大きく育てるなら緩効性肥料などを5月から6月に少量与えましょう。

・剪定

センリョウはほぼ枝分かれをせずに成長するため樹形が乱れにくく、若い木なら放任しておいても問題はありません。


ただし3年以上経過したころから枝が込み入り、茂る様子が見られたら、風通しを良くするために剪定が必要です。


・実のつかない枝や込み入っている枝は切る

・若返りをはかるなら、3月に実のついている枝を付け根ギリギリで切る

・病害虫

センリョウは病害虫にかかりにくい植物なので、心配の必要はほぼないでしょう。

●センリョウの花

センリョウは実に注目がいきがちですが、6月ころになると花びらのない黄緑色の小さな花を咲かせます。


見た目は少し地味ですが、「可憐」「財産」「富」「祝福」「恵まれた才能」などの縁起のよい花言葉があります。

●センリョウを挿し木にするなら

センリョウは種から育てることもできますが、切り取った枝から増やす挿し木も可能です。


挿し木の適期は新芽が出る前の3月から4月にかけて。


手順は次のとおりです。


1 センリョウの枝の先端から2~3節を切り落とす

2 残す葉は先端から4枚で、他の葉は取り除く

3 約1時間給水させる

4 挿し木用土または赤玉土を含む土に挿す

5 日の当たらない場所に置いて乾かさないように水やりをする


切り取った枝についている葉が大きい場合は、水の発散を防ぐために葉の3分の1を切断しておきましょう。


挿し木をして順調にいけば、2~3ヶ月で発芽します。

●センリョウ栽培のQ&A

ここではセンリョウ栽培でよく見られる疑問、またその回答についてみていきましょう。

Q センリョウに実がつかない原因は?

細い枝や古い枝をそのままにしているなら、地際から剪定をしましょう。


また窒素分の多い肥料を与えているのが原因で、開花せずに実がならない場合もあります。


花が咲いたにもかかわらず実がならないのは、夏の直射日光や西日、寒風が原因かもしれませんので、適切な場所への移動が必要です。


反対に日陰などの日光量が少なすぎる場合も、実のなりが悪くなる傾向があります。

Q マンリョウとの違いはなに?

センリョウとマンリョウの見た目は似ていますが、主に次のような違いがあります。


・センリョウはセンリョウ科の常緑低木、マンリョウはサクラソウ科(ヤブコウジ科)の常緑低木

・センリョウの実は葉の上につくのに対し、マンリョウは葉の下につく

Q センリョウにはどんな品種がある?

今回ご紹介したセンリョウ以外の有名な品種に、「キノミセンリョウ」という実の黄色いセンリョウがあります。


育て方は赤い実をつけるセンリョウと同じです。

●さいごに

センリョウは置き場所や水やりに気をつければ、病害虫の心配もほぼないので、育てやすい植物といえるでしょう。


和風の庭造りで植物をお考えの方、鉢植えでセンリョウを楽しみたい人など、気軽にセンリョウ栽培をはじめてみてはいかがでしょうか。

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