フィカス・ウンベラータの「曲げ木」とは?基本の育て方6つのコツ

ハート型の葉、すらっとした樹形で、お部屋・ホテル・店鋪などのインテリアとしても多く活用されているフィカス・ウンベラータ。


手軽に入手でき、育てやすいことから、これから観葉植物を育てようとお考えのガーデニング初心者の方にもおすすめです。


そこで今回は、フィカス・ウンベラータの基本的な育て方に加え、曲げ木をする際の手順についてもご紹介します。

●フィカス・ウンベラータってどんな木?

フィカス・ウンベラータは、熱帯アフリカ原産とするクワ科に属する観葉植物です。


「フィカス」にはゴムの木、「ウンベラータ」には日傘(ラテン語)の意味があり、原産地で自生しているフィカス・ウンベラータには、樹高が10メートルを超すものも存在するといわれています。


フィカス・ウンベラータは上に向かって成長するスピードが早く、夏のワンシーズンで20センチほど伸びることも。


また、元々は気温の高い地域にある植物のため、少々寒さに弱い特徴もあります。

●フィカス・ウンベラータの好む環境

フィカス・ウンベラータは、耐陰性もある植物ですが、基本的には日光の当たる場所で育てましょう。


ただし、夏の直射日光のような強い光は葉焼けの原因になるため、窓際のレースのカーテン越しのような、やわらかい光が入る場所、かつカーテンによって日光の量を調節しやすい場所が適しています。


気温が低下する寒い季節の夜などは、鉢を都度、エアコンの風が直接当たらない暖かい場所へ移動させましょう。


寒い時期の育成温度の目安は、約8度以上です。

●フィカス・ウンベラータの水やり

フィカス・ウンベラータの水やりは、一般的な水やりに加え、葉に霧吹きで水を与える「葉水」を行ないます。


葉水には、冷房などの風が原因となる乾燥や病害虫を防ぐ働きがあるため、1年を通して毎日行ないましょう。


株元に水を与える方法は、季節によって量を調節する必要があります。


フィカス・ウンベラータの成長期にあたる春は、土の表面が乾いたら、鉢皿から水がでるまで十分に水を与えるのがポイント。


夏の高温期は水を必要とする時期ですので、春よりも回数を多めに、水が切れないようなタイミングで与えましょう。


冬は水をそれほど必要としませんので、1年のなかでは最も頻度を控えめに。


土の表面の乾燥を確認して数日経過してから与えます。

●フィカス・ウンベラータの肥料

肥料は与えなくても成長はしますが、葉に艶がない・変色している・もっと大きくしたい・成長速度が遅くなってきた、などの理由があれば春から秋にかけて、2カ月に1回の割合で緩効性肥料の置き肥をします。


また、半月に1回の割合で葉水や株元への水やりの際に液体肥料を施しましょう。

●フィカス・ウンベラータの剪定

上に伸びるスピードの早いフィカス・ウンベラータ。


剪定を行なわずに放置しておくと、天井に到達してしまうことも珍しくありません。


剪定を行なう時期は、冬以外であれば基本的に問題ないでしょう。


剪定のポイントは次のとおりです。


・剪定する場所は枝の付け根

・内側に向かって伸びる枝や重なっている枝をカットする

・樹液には毒性のある成分があるのでゴム手袋を装着し、使用後のハサミは清潔を保つ

●フィカス・ウンベラータの「曲げ木」の手順

曲げ木とは、枝を針金などで固定しながら、希望する形に成長するように誘導すること。


これは、フィカス・ウンベラータの枝の柔らかい性質を利用して行なわれています。


自分好みの形を作るなら、剪定作業にプラスして、曲げ木に挑戦してみましょう。


希望の樹形のイメージができたら、曲げ木仕立てにする手順を見ていきましょう。

  1. 太めと細めのワイヤー(紐でも可)・ペンチ・ハサミ・テープを用意する
  2. ハサミで曲げる箇所の葉を取り除く
  3. イメージどおりの形になるように、力をかけすぎず太いワイヤーを枝に巻きつけ端はテープで固定
  4. 2~3週間に1度、ワイヤーを締めなおす(理想に近づくまで数回繰り返す)
  5. 曲げる枝は、若い枝に限られます。
  6. 木質化した古い枝は固くなっているため、ワイヤー等を固定しただけでは曲がらないばかりか、力をかけると折れる可能性があるので使わないようにしてください。
  7. 剪定直後のフィカス・ウンベラータの場合、曲げ木は負担がかかりすぎるため、半月程度経過してから行ないましょう。
  8. また、ワイヤーの強度は、負担を避けるため、回数を重ねるごとに強度をあげてください。
  9. ワイヤーを固定した枝は、時間の経過とともに次第に木質化していきます。
  10. およそ1年を目処に、理想の形へと近づけるとよいでしょう。

●さいごに

フィカス・ウンベラータの曲げ木は、オシャレで個性的な形に仕上げられるだけでなく、スペースの限られた室内で育てる場合に、形をコンパクトに抑えられるメリットもあります。


フィカス・ウンベラータは、日光量や水やりの頻度など、基本的なコツを抑えれば、失敗の少ない植物です。


室内置きでも圧迫感を感じづらい魅力もありますので、観葉植物をお考えの方は、ぜひフィカス・ウンベラータの栽培に挑戦してみましょう。

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